請求項の考案が自明であるか否かを如何に判断するのか。
概要:
本事件の無効審判請求人であるコンピュータシステム会社は、名称が「付加情報管理システム(特許番号:200920129968.9)」である実用新案特許に無効審判請求を提起した。弊所は請求人から依頼され、本事件の無効審判請求の関連業務を代理した。中国特許庁特許審判委員会は、「請求項に係る考案が引用文献で開示されている考案とは実質的に同一で、両者は同一の技術分野に属し、解決しようとする技術的課題が同一で、同一の効果を奏しているので、請求項に係る考案は引用文献に対して新規性を有しない。もし、1つの請求項に係る考案が引用文献で開示されている考案と比較して、相違点に係る構成を有するが、当該構成が、別の引用文献で既に開示されている場合、当業者がこの2つの引用文献の組み合わせによって、当該請求項の考案を想到し得ることが自明であるので、当該請求項は進歩性を有しない。」と認定し、係争実用新案特許が無効であると審決した。
本事件のポイント:
弊所は無効審判請求で「①証拠1+技術常識」と「②証拠1+証拠2」という2種類の方法を利用して請求項3及び請求項4が進歩性を有しないことを証明した。さらに、弊所は補充検索によって、より証明力のある証拠3を入手し、且つ法定期間内に意見陳述書を提出し、「①証拠1+技術常識」、「②証拠1+証拠1のほかの一部分」、「③証拠1+2」、「④証拠1+証拠3」という4種類の方法で請求項3及び請求項4が進歩性を有しないことを証明した。最終的に、特許審判委員会は、上述の「④証拠1+証拠3」を認めた。
本無効審判では、補充検索によって証拠力のある証拠を入手し、多数の証拠、又は証拠の組合せによって、抗弁することができたことが勝利のポイントとなったことがわかる。